東洋医学的解説
漢方では「心身一如」といって、心と身体は密接につながっており、相互に影響しあうと考えます。したがって、身体のバランスの乱れは心にも、心のバランスの乱れは身体にも現れてきます。
「落ち込む」、「クヨクヨする」といった精神的なものも身体からの一つのシグナルなのです。
では、どのような状態がこういった精神状態とつながるのか見てみましょう。
漢方では身体を肝(かん)、心(しん)、脾(ひ)、肺(はい)、腎(じん)の5つの臓器(五臓)に分けて捉えていく考え方があります。これらの臓器のどこかが疲れたり、全体とのバランスを崩すと、それらの働きが上手くいかなくなり精神にも影響がでてきます。特に、肝とは深いつながりがあります。
臓器について詳しく見ていく前に・・・
「気(き)」について
「気」とは、エネルギー・原動力・機能といったイメージのもので、血をめぐらせるためにも気が必要です。元気がある・気分がいい・気力を出す・気合を入れる・気がめいる・気持ちが沈む という言葉にも気が使われるように、肉体面だけでなく、精神的面にも関わっています。
「血(けつ)について」
「血」には全身に栄養を与え、潤す働きがあります。また、精神を安定させ正常に働かせるための基礎的な物質であるため、不足すると精神面にも影響を与えます。
~「落ち込む」「クヨクヨする」といった感情と臓器との関わり~
漢方では、他にどのような症状、シグナルがでているのかを見ながら、どの臓腑の働きが弱っているのか判断していきます。
- 「肝」が関わっている場合
肝うつ気滞(かんうつきたい)、肝血虚(かんけっきょ)タイプ
よく見られるタイプです。
<伴いやすい症状>
イライラする・感情の起伏が大きい・ストレスを受け止められない・緊張しやすい・ため息が多い・胸や脇が張る・生理前に胸やお腹が張る・お腹がゴロゴロなる・おならがでる・ガスが出ると楽になる・目がしょぼしょぼする・目が充血する・まぶたなどの筋肉がピクピクと痙攣する など
<原因>
過剰なストレス・緊張・イライラ・ショック(落ち込んだ状態が長く続くことでも気の流れは滞り、悪循環になってきます。)・生活リズムの乱れ・目、頭をよく使う など
<「肝」の働き>
・気(き)の流れをスムーズにする。
・感情をコントロールする。
・消化吸収を助ける。
・血(けつ)を貯蔵する。
「肝」はストレスを受け止めるクッションの役割をしています。しかし、ストレスやイライラ、落ち込むことが続くと「肝」の気をスムーズに流す働きが悪くなります。すると、さらにストレスを受けやすくなり感情のコントロールも上手くできなくなってしまいます。
<漢方>
主に「肝」の 気をスムーズに流す働き を手助けしてあげるものを使います。
また、「肝血」が足りないために「肝」の働きが乱れている場合には、「肝血」を補うようなものを使っていきます。
<予防>
・気分転換をする。
・生活リズムを整える。
・夜更かししない(「肝」が疲れているときは夜10時には就寝しているのが理想です)。
・好きな香りをかぐ。
・目や頭を使う仕事では、時々休みを入れる(目や頭を使う作業は血を消耗します)。
・バランスの良い食事を摂る。
・疲れたらゆっくり休む(身体が元気な時とそうでない時ではストレスへの抵抗力も異なります)。 など
ストレスは生きていく上で、ある程度必要なものです。しかし、その人にとって強すぎるストレスはいずれバランスの乱れにつながっていきます。今はどうしてもストレスを避けられないという場合には、メリハリをつけて身体を休ませる時間も必ずとるなど、何らかの工夫をしていくことが大切です。
また、ストレスはないと思っていても上記のような症状がある場合には、気づいていないこともありますので、早めに心と身体をケアしてあげると良いでしょう。 - 「腎」が関わっている場合
腎虚(じんきょ)タイプ
<伴いやすい症状>
ビクビクしやすい・心配症・マイナス思考・ストレスを受け止められない・精神的に疲れやすい・考えがまとまらない・物忘れしやすい・集中力がない・足腰がだるい・不妊・寒がる、手足や腰が冷たい・トイレが近い、あるいは尿量が少なくてむくむ・失禁・めまい・耳鳴り・不眠・手足がほてる など
<原因>
生まれつき虚弱体質・慢性病・性生活の不摂生・ストレス・疲労の蓄積・老化・食事をきちんと摂ってこなかった(ダイエット・好き嫌いをする・バランスが悪いなど)・大きなショックを受ける(大切な人を失う、怖い目にあうなど) など
<「腎」の働き>
・精(せい)を蓄え、成長・発育・生殖をつかさどる。
・尿を作り、水分代謝に関与する。
・気がもれないようにする(息を深く吸う)。
精とは、生命活動の根本となる物質です。また、腎精と肝血は互いに補い合う関係であるため、どちらかが不足するともう一方にも影響が出やすくなります。
「腎」には腎陰(じんいん)、腎陽(じんよう)がありますが、これらも精がもととなっています。腎陰は物質面(身体を滋養し、潤す)、腎陽は機能面(身体の機能を促進し、温める)を表します。例えば、クヨクヨと落ち込みやすい人の中には常に手足が冷たい方が見受けられますが、この場合は原因として腎陽の温める働きが弱いことなどが考えられます。
<漢方>
陰陽のバランスを見ながら「腎」を補っていくものを使っていきます。
<予防>
・夜は早い時間に床に就く(夜10時~2時の間は熟睡しているのが理想)。
・バランスの良い食事を摂る。
・疲れたら休む(疲れが溜まった状態が続くと、腎を消耗していきます)。
・腰を冷やさない。 など - 「心」が関わっている場合
心血虚(しんけっきょ)タイプ
<伴いやすい症状>
不安感がある・躁鬱・物忘れしやすい・集中力の低下・頭がボーっとする・不眠・夢が多い・動悸・めまい など
<原因>
睡眠不足・食事をきちんと摂っていない・目を使う・考え事をよくする など
<「心」の働き>
・精神活動、生命活動に関与する。
・血を全身にめぐらせる。
「心」は精神と密接なつながりがあり、「血」は精神活動を行うための基本的な物質です。したがって「心血」が足りないと、うつ状態になるなど精神面に影響がでてきます。
<漢方>
「心血」を補っていくものなどを使っていきます。
<予防>
・夜は早めに床に就く。
・バランスの良い食事を摂る(血を補うことが大切です)。
・考えすぎ、悩み過ぎないように工夫する。
・目や頭を使う仕事では、時々休みを入れる(目や頭を使う作業は血を消耗します)。 など - 「脾」が関わっている場合
脾気虚(ひききょ)タイプ
<伴いやすい症状>
疲れやすい・食欲がない・もたれやすい・ベタッとした泥状の便が出る、力まないと便が出ない、下痢・お腹が張る・内臓下垂(胃下垂など)・活動すると悪化する・気力が出ない・優柔不断・愚痴が多い など
<原因>
生まれつき虚弱体質、胃腸が弱い・ストレスが続く・思い悩むことが多い・不摂生が続いた・冷たいものの摂りすぎ など
<「脾」の働き>
・消化吸収を行う。
・水分代謝に関与する。
・必要なものを上に持ち上げる。(栄養を上に運ぶ・内臓を正常な位置にとどめるなど)
・血がもれでないようにする。 など
落ち込んでいる時・クヨクヨしている時・思い悩んでいる時など、精神的な影響で食欲が落ちた経験のある方も多いのではないでしょうか。実際、「脾」は「思」「憂」という感情と関わるとされており、思い悩んでばかりいると「脾」の働きが低下してしまいます。逆に「脾」の働きが悪い場合にも、疲れやすさなどとともに精神面にも影響がでやすくなります。
また「脾」は、身体に必要な気血を得るための重要な臓器であり、ここが弱ると「肝血」「腎精」や「心血」も補われなくなり、上記の症状(1、2、3参照)へとつながっていきます。
<漢方>
「脾」を元気づけていくようなものを使います。
<予防>
・食べ過ぎない(腹八分目)。
・胃腸を冷やさない。(冷たいものを摂り過ぎない。例えば、生ものの摂りすぎや夏にクーラーのきいたところでビールを飲みすぎることにも注意)。
・バランスの良い食事を摂る(きちんと食事から気血を補うことが大切です)。
・疲れたら休む(もともと気が足りなくなりがちなので、消耗を抑える工夫も大切です)。 など - 「肺」が関わっている場合
上記のタイプが多く見られるため、「肺」については詳しくは述べませんが、「肺」は感情の「悲」とつながりがあるとされています。また、「肺」は必要なものを全身に撒いたり、気の運行にも携わっています。
~最後に~
落ち込む・クヨクヨするといった感情は、程度の差はあれ誰にでもあることです。しかしこれが長く続くと、心だけでなく身体にも影響がでてきます。またある程度は、つらい状態を気合で乗り越えることができますが、その気合すら出ない・最近クヨクヨしやすいというような場合には、今の体質・体調が関係していることも考えられます。
早い段階(通常の生活ができる状態)であれば、漢方で手助けしていくこともできるため、生活の中で上手に使っていくと良いでしょう。また、今は頑張り時だ・ストレスを避けられない というような場合にも、予防として漢方を利用することもできます。
心の状態は体調を知る上での一つのシグナルです。
つまり、体質が今の心の状態を作り出していることもあるのです。時々は、心の状態を参考に体調や生活スタイルを見つめなおしてみましょう。
西洋医学的解説
「落ち込む」、「クヨクヨする」というのは誰でも経験のあることです。
しかし、この状態が一時的なものではなく長く続くような場合には、身体的な原因からきていることもあり、逆に身体の働きに影響を与えてしまうこともあるため、早めのケア(原因を探る・検査・治療・周りの人の協力・休養など)が大切です。
- 落ち込み(クヨクヨする)原因
ストレス、精神的な負担
【例】
仕事上での大きなプレッシャー、試験に落ちる、大切な人を失う、人間関係を築けない など
人が成長していくためには、乗り越えていくべきストレスもあります。また、乗り越えるためには周りの人の援助や時間も大切な要素となります。しかし、これらが得られなかったり、その人の許容量以上のストレスとなると、さまざまな悪影響が出てきます。
強いストレスが長く続くような場合には、日常生活に支障がでたり、うつ病や身体の病気へとつながっていくこともあるため、注意が必要です。
抑うつ神経症
【症状】
気分が落ち込む・悲観的になる・やる気が起きない・何をしても面白くない・集中力が落ちる・熟睡できない・食欲が落ちる・性欲が落ちる・疲れやすい など
これらの症状はうつ病ともよく似ていますが、うつ病よりも症状は軽く、日内変動(うつ病参照)もありません。ただし治療には時間がかかり、1年~数年かかることもあります。
うつ病
やや重い場合
【症状】
朝調子が悪く、午後になると少し元気が出てくる(日内変動)・無気力で、何もする気にならない・趣味にも興味がもてず、何をしても面白くない・熟睡できず、朝早く目が覚めてしまう・食欲がなく、食べても味がしない・性欲がない・寂しくて悲しい・涙もろい・汗がでる・便秘・腹痛・頭痛 など
うつ病の中には、心の症状よりも身体の症状が強く出てしまい、うつ病と気づかないこともあります(仮面うつ病)。この場合、本人も心の疲れが原因とは思わずに我慢を続けたり病院を転々とするなどして、治療が遅れたり症状が長引いてしまうこともあります。
もし、頭痛・肩こり・便秘・腹痛・食欲が出ない・疲れやすい・動悸・めまいなどの症状があり、検査をしても異常がないような場合には、一度心療内科や精神科(精神神経科)を受診してみましょう。
【治療】
主に、薬物療法(抗うつ薬)と精神療法(対話)を行います。
うつ病は、脳の情報を伝える物質がバランスを崩した状態で、薬物療法が有効な病気です。したがって、少し良くなったなと思っても勝手に判断して薬をやめず、医師の指示に従って服用することが大切です。
閉経の前後はホルモンのバランスが崩れて様々な症状の原因となります。しかし、この時期は子供が自立して今まで子育てに向けていたエネルギーのはけ口が見つからなかったり、両親を失って大きなショックを受けるなど環境の変化が重なることもあり、それが原因でうつ病となっていることもあるため、注意が必要です。
自律神経失調症、更年期障害といわれるものは、検査をしても異常がないものや更年期の時期(45~55歳)に出てくる様々な不調をまとめたもので、正式な病名ではなく、原因がはっきりしないことも少なくありません。しかし、この中には薬物療法がある程度有効なうつ病やパニック障害が隠れていることもあるため、注意が必要です。
その他(これらの病気からうつ病に発展することもあります。)
・ホルモンの異常
甲状腺機能低下症
副腎皮質の機能障害(クッシング症候群、アジソン病)
・脳の組織に障害
・パーキンソン病
痴呆
慢性疼痛
・アルコール依存症
・副作用
インターフェロン療法、血圧降下剤、副腎皮質ホルモン剤、抗潰瘍薬、経口避妊薬など
診察は科が色々あるけど、どこへ行ったらいいの?
ここでは、似たような名前がついているものについて、簡単にご紹介します。
精神科・精神神経科(神経科・・以前はこのように言っていたこともあります。)
人間の精神・心理機能の障害を診察します。
例:記憶障害、意識障害、自我障害、知覚障害、思考障害、不安障害、行動障害、睡眠障害、食行動の障害 など
心療内科
心の原因で起こる身体的な症状(心身症)を診察します。
例:ストレスや悩み事で 胃が痛くなる、生理が止まる、うつ状態になる など
神経内科
主に脳・神経の病気を診ます。神経科とは異なります。
例:言語障害、頭痛、頭重、運動麻痺、筋萎縮、手足のしびれ、不随意運動 など
脳外科
脳に何らかの外科的処置をする場合の科です。
例:脳腫瘍、頭部外傷、クモ膜下出血、脳出血など
参考文献:「新赤本 家庭の医学」発行:保健同人社 平成12年11月15日 改訂新版「心の病気の治療がわかる本」平山正実 著、法研 発行:平成14年4月22日 第1刷発行
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