声について
私が寮に入り、朝から晩まで毎日漢方を勉強していた時期があります。
その頃出会った中国人の路(るー)先生にはいろいろなことを教えていただきました。
その先生との会話
路 「ねえっ峯村さん、男性の精力が強いかそうでないか、一発でわかるポイントがあるんですよ。」
峯「えーっつ。本当ですか?それは便利ですねぇ。それがわかれば性の不一致で別れる夫婦が少なくなりますよ!」
路「さあ、どこを診ればわかるでしょう?」
峯「それは、やっぱり腎でしょ?」
路「それは、色々問診して聞かないと腎が弱っているかどうかわからないでしょ?一発でわかるのです」
峯「・・・・ 鼻・・・の大きさ?」
周囲「もう、峯ちゃんどんどん、俗っぽくなるでしょ?」
峯「もう、降参です。全然分かりません」
路先生は子供っぽく意味ありげに笑った後、こう言った。
路「声ですよ、声」
峯「はあ・・・。」← 全然分かってない
彼は話を続ける。要約するとこうだ
声が低くて(しかも、響く声、凛とした声)、しかもゆっくりと落ち着いた話し方、そして、湿り気のあるようなつややかな声の持ち主は腎精が豊かであり 強い。
逆に 声が高いつまり、かんだかい声やかすれた声、又は聞き取りにくい声は 腎陰不足(精も不足)しており持続力に欠ける、つまり弱い。
それに、付け加えると、早口で話す人は行為自体好きだけれど、弱いため回数が多い、とまで解説してくれた。
・・そうか! そういえば明石屋さんまはテレビの中で好きだけれど弱いといって いた。当てはまるぞこれは。
しかし、あくまでもこれは統計論であって外れる人もいるはずなので一概に決めつけてはいけない。
漢方では聞診(ぶんしん)といって、その人の息使いや声、話し方でその人の体質を見極めるという診断方法がある。
路先生は、体質を見極めるのには声でもわかりますよ、見えるからと言って、目に惑わされずに良く聞く事も漢方診断には大切ですよということを教えるために、大変興味深い題材を選んだわけなのだ。
いつも変な話ばかりしていると思っていたけれど、ただものではないな・・と路先生の懐の深さにふれた。
これは、女性であってもそうだ。日本人は松田聖子のような高くて、かわいらしい声を好むが、欧米ではある程度の安定した音域で落ち着いて話す女性が好まれ、大人の女性と認められる一面がある。
漢方的に女性の場合、子供っぽく高い声で話をする女性は子宮発育不全だったり、生理痛が酷かったりする。腎が充実していないという証拠だ。
私は電話でご相談を受けるときに、声を大切にする。
話し方や声でだいたいの体質を把握できると言っても良い。
これは、漢方だけではなく、ビジネスにも充分生かす事が出来る。